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2014.2.23 「自分の家に帰りなさい」 マルコによる福音書5:1-20

1:  汚れた霊

 イエス様は、汚れた霊に取りつかれた人に出会われます。汚れた土地、異邦人の土地において、その中でも特に汚れたとされる者。汚れた霊に取りつかれた人にイエス様は出会いました。汚れた霊に取りつかれている状態をもう少しわかりやすく説明すると、私たちの心が、悪い心に支配されていることを表しています。イエス様は、悪い心に支配されている者「汚れた霊」に取りつかれている者に出会ってくださるのです。

 

2:  イエス・キリストに出会う

 「汚れた霊に」取りつかれた人は、まさに心を、悪い思いに支配されていました。そのような誰も一人の人間として扱うこともしないこの人と、イエス様は出会ってくださったのです。その人にとって、一人の人間として出会ってくださること、そのこと自体が福音であり喜びでした。イエス・キリストの与えられる福音とは、その人が、ただ今の状態から解放されることのみを意味するものではなく、その中でイエス・キリストに支えられ、イエス・キリストの愛に支配されることを意味するのです。

 

3:  ゲラサ人の心を支配するもの

 ゲラサの人々は、「汚れた霊に取りつかれた人」の心の重荷を共に背負うのではなく、その人を鎖でつなぎ、足かせをはめ、縛っておこうとしたのです。この人を、人間としての扱いをしないことによって、余計に心に重荷を負わせていったのではないでしょうか。

 そしてまた彼らにとっての大切な財産の一つである、家畜の豚が死んでしまったことによって、イエス様の業を共に喜ぶのではなく、むしろ恐れ、これ以上の損失をしないために、「出て行ってくれ」と、イエス様を追い出していくのです。このようなゲラサ人地方の人々は、確かに外見上では明らかではなくても、心の中では「汚れた霊に取りつかれた人」と同様に、悪い心に支配されたのではないでしょうか。

 

4:  自分の家に帰りなさい

 主は、福音を受け取った者を派遣し、このように語られるのです。「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。」(19)

 この派遣の言葉は「自分の家に」帰ることを命じます。「汚れた霊にとりつかれていた人」にとって「自分の家」に帰ることは、これまで自分を人間扱いせず、イエス様を受け入れなかった人々のところに向かうことです。それはイエス・キリストがしてくださったように、お互いに喜びも苦しみも分かち合い、受け入れあうことを宣べ伝えることでしょう。私たちは、このイエス・キリストの福音を受け入れ、そしてイエス・キリストがしてくださったように、悲しみや苦しみをお互いに支え合っていく者とされていきたいと思います。