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2014.5.4 「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」 マルコによる福音書6:30- 44

 

1:  休むこと

 イエス様は言われました。「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」(31)。イエス様は、弟子たちが食事をする暇もなく働かれていること、疲れていることを心配してくださっているのです。そして「休むこと」、心も体も休める時間を持ち、神様との時間を持つことを勧められているのです。私たちは休む時間を持っているでしょうか。体を休める時間、心を休める時間、静かに心を整える時間、祈る時間、御言葉をいただく時間を持っているでしょうか。

2:  深く憐れむ方

 弟子たちは、人里離れたところに向かいます。「休みたい」のは弟子たちだけではありません。「心に休みを得たい」のは、イエス様を追いかける群衆もまた、主を求め続け生きる力としての御言葉を求めていたでしょう。そしてまた、「休みたい」のは弟子たちだけでも、群衆たちだけでもなかったでしょう。この時、主イエスご自身も、もちろん疲れを覚え、休みを得たいと思っていたと想像するのです。そのような中にあって、主は、この大勢の群衆を「深く憐れまれた」のです。イエス様は、まさに自分の疲れを上回ってまでも、この群衆の痛みを感じとられ、共に生きる者となって下ったのです。

3:  何を持っているのか

 弟子たちにイエス様はもう一度問いかけます。「パンは幾つあるのか。見て来なさい。」(38)それは、あなた方は今「何を持っているのか」という問いかけです。弟子たちは何を話し合っていたのでしょうか。弟子たちのよく話していたこと、言い争っていたことは自分たちがどれだけ偉いか、どれだけ力があるかなど、つまり、ここでも、自分の「成績」「成果」でも言い争っていたのではないでしょうか。

 そのような姿をみて、イエス様は御許に集められて、自分たちの持ち物の再確認をされたのです。「あなたがたは何をもっているのか」、「あなたがたが与えられているものは何なのか」。

4:  5つのパンと2匹の魚

 ここで、弟子たちは5つのパンと2匹の魚を差し出しました。弟子たちはこの5つのパンと2匹の魚をイエス様に差し出すときに、思い出したのではないでしょうか。すべてを捨てて、キリストに従い始めたときの信仰の始まりを。そして、その中心には、主イエス・キリストがいてくださったのです。十字架の主イエス・キリストが、すべてを惜しむことなく、私たちのために捨ててくださったのであります。この5つのパンと2匹の魚を見るときに、弟子たちはこの出来事を、自分たちの信仰の出来事を思い起こしたのでしょう。