１：　　教会は一つ

　今日の箇所で聖書は、「体」について語っています。この体とは、「キリストの体」としての教会、特に、このときはパウロが手紙を宛てた、コリントの教会に対して「体は一つである」と語っているのです。コリントの教会では、分裂があり対立がありました。パウロは、コリントの教会の人々に向かって「教会は一つ」と語ります。聖霊とは、イエスを「主」と告白させる方、イエスこそが「救い主」だと告白させる方です。この霊に、聖霊に導かれている者として、パウロは、「教会は一つ」であると語るのです。

２：　　貧弱なものが大切

　パウロは、教会のことを「キリストの体」として比喩的に語っています。このように人間の体を使い比喩に語ることはパウロが初めてではありませんでした。しかし、古代社会における「体としての一致」とは、支配者が権力に従うように、体にたとえて使っていました。「あなたがたは体の部分として権力に従いなさい」と語ったのです。今日の箇所は、むしろ、そうではなく弱さを尊ぶように語ったのです。

　「『いちばん貧弱』と見なされている部分が、大事なのです。」と語ります。弱さを尊重することによる調和を、そしてキリストの体としてつながることを目指しなさいと語るのです。この聖書の御言葉はお互いの弱さや欠点を受け入れ、尊重すること、そして自分自身の弱さや欠点を受け入れることを求めた言葉でもあります。

３：　　一番貧弱な者となられた方

　イエス・キリストは、十字架の上で、この世においていらないものとして捨てられ、殺されました。小さく、貧弱であり、いらないものとして捨てられたのです。この十字架の出来事は、私たちに、自分の弱さ、そして他者の弱さと向き合う力を与えます。わたしたちは、どれほど弱くても孤独ではない。私たちは見捨てられることはありません。私たちはこの主イエスに支えられてこそ、お互いの弱さ、お互いの小ささを尊重することができるのです。

４：　　イエスは主である

　私たちが一つとされていく。聖霊はお互いが弱さを持つなかで一つの指針の中で生きることを導きます。「イエスは主である」という告白です。これは決して自分を主としない、自らを一番にしない、自分を絶対化しないということです。自分の正しさ、自分の正当性、それがすべてではない。このことを認めた言葉が「イエスは主である」という言葉です。自分を絶対化しないことは他者の思いを尊重することにつながるでしょう。私たちは「イエスは主である」という言葉を告白する中で、お互いの弱さを受け入れること、尊重することができるのです。私たちはお互いの弱さを、尊重する者とされていきたいと思います。