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2013.8.25 「み名が崇められますように」 マタイによる福音書6:5-9

 主の祈りは「天にまします我らの父よ」の呼びかけの後の第一祈願として、「御名があがめられますように」と祈ります。文字通り翻訳すれば「あなたの、つまり、神の名が聖なるものとなるように」と言うことです。

1.名づけること

 この世界に存在するもので名のないものはありません。人はあらゆるものに名をつけ、ものの本質を知り、どこかそれをコントロールし、支配するのです。アダムは助け手を求めていろいろなものに名をつけました。

 

2.名を呼ばれるもの

 私たちはものに名を付けるものですが、同時に自分自身は名をつけられ、名前を呼ばれる者でもあります。私たちは、モーセがシナイ山の麓で、「モーセや、モーセよ」と呼びかけられたように、神様からの呼びかけによって本当の自分になることができるのです。

 

3.神のみ名は明らかになっている

 「み名があがめられますように」と祈れとの勧めは、目に見えない神様はイエス・キリストにおいてすでにご自身の名を知らせて下さったという決定的な事実を前提しています。神はその名を教えて下さることによって、「わたし」と「あなた」、「あなた」と「わたし」の関係を築いて下さったのです。

 

4.神の冒険

 むろん、神がご自身の名を知らせて下さったということは、私たちが、イエス様を十字架につけて殺してしまったように、神が人間の歴史に巻き込まれ、誤解され、人間に支配されてしまうという冒険をあえて冒してまで、わたしたちに関わって下さっていることを意味しているのです。

 

5.このみ名を聖別せよ

 「名」という言葉は「名誉」「名声」「有名」というような言葉を作りだします。「バベルの塔」の物語で技術革新を経験した人々は「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」(創世記11:4)と言いました。口語訳では「名をあげて」と翻訳されています。私たちは今日、日本人であること、経済大国であること、大企業の一員であることなど様々な名のもとに生きようとしてはいないでしょうか?そのような混乱の中にあって、神の名を、それらの名たちからはっきり区別し、聖別して生きること、この世のいかなる名も神の名と混同しないことが求められており、それこそが私たちを自由にし、解放し、救い出す道なのです。 (松見 俊)