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2013.12.29 「神の真実に応えて生きる」 イザヤ7:1-9

 今年最後の主日礼拝です。或いは、クリスマスから数えれば最初の主日礼拝です。これまで、「主の祈り」を共に味わってきましたが、一年の最後に、主の祈りの最後の部分に耳を傾けることも意味があります。「国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり、アーメン」は、昔イスラエル王ダビデが神殿を建てる資材を集めたときに、その働きは決して自分の力によらず、自分の栄光のためではない。「国も力も栄えも神様のものである」と語った故事に由来しています。私たちは、取るに足りないものですが、すべての栄光を神に帰するような生き方をしたいものです。

 

1.人間の祈りの根源としての「アーメン」

「 アーメン」は子どもたちも知っているヘブライ語で、キリスト教の祈りの言葉です。「南無阿弥陀仏」のように、「アーメン」ほか「ナーム」とか「あうん」という音で自分を超えた存在に呼びかけ、信頼したというのは人類共通なことだそうです。

 

2.聖書における「アーメン」1:「真実の神」

 「アーメン」とは「まことに」「たしかに」「そうでありますように」という意味です。これは「留まる」「固く立つ」「信頼する」を意味する「アーマン」という動詞から由来します。

  第一に大切なことは、「神は真実の神である」ということです。イザヤ65:16には「この地で祝福される人は/真実の神によって祝福され/この地で誓う人は真実の神によって誓う。初めからの苦しみは忘れられる。わたしの目から隠されるからである。」と言われ、神こそ私たちを生かし、支えるお方です。新約聖書には、イエス・キリストご自身が、「アーメンである方、忠実で真実な証人」と呼ばれています。十字架の死に至るまで私たちの弱さを知り、私たちを担い、愛し抜かれたイエス様こそ私たちが信頼すべき真理であり、真実なのです。

 

3.聖書における「アーメン」2:神に信頼すること

 イザヤ7:9後半に「アーマン」という言葉が2回使われています。預言者イザヤが生きた時代はアッシリヤ帝国がその勢力を拡大してゆく時代でした。これに反抗するため、ユダ王国の兄弟分である北イスラエルの王ペカとイスラエルの北に位置するシリヤのレジンとが三国同盟を結ぼうとユダ王国に申し入れてきたのです。しかし、ユダの王は、これを拒否。するとペカとレジンがエルサレムを攻め、これを包囲したのでした。まさに、危機です。預言者は「もしあなたがたが(アーメンと言って主なる神を)信じないならば、(アーメン)として確かに立つことはできない」というのです。これはとりもなおさず、「もし神の真実を信じるならば立つことができる」ということです。

 

4.祈りの終わりの「アーメン」

 こうして、アーメンとは真実な神を意味しているばかりか、この真実なる神に信頼する私たちのあり方、姿勢を示しており、アーメンたる神に信頼し、アーメンと応答する者こそ、アーメンとして堅く立つことができるのです。そこで、祈りや賛美歌のあとに「アーメン」と言うのです。「アーメン」、これはまさに、1年の終わりの礼拝、あるいはクリスマスから始まる新しい年の最初に耳を傾けるべき事柄です。(松見 俊)