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2014.2.2 「向こう岸に渡る信仰」 マルコ4:35-41

1:  イエス様の言葉による決断

 今日の箇所で、イエス様は弟子たちに「向こう岸に渡ろう」と語られます。弟子たちはこの言葉によって一つの信仰の決断を迫られていました。向こう岸というのは異邦人の住んでいる町です。ユダヤ人にとって異邦人の町にいくことは、簡単なことではありません。さらに追い討ちをかけていたのは、彼らの中にある常識です。イエス様の弟子たちの何人かはガリラヤの湖で、長年漁師をして暮らしていた者です。彼らはこの時期、この時間になると突風が吹いてくることもよく知っていたことでしょう。そのような常識、思いを打ち破り、弟子たちを決断させたのが、イエス様の「向こう岸に渡ろう」という言葉だったのです。

 

2:  誘惑 

 イエス様といっしょに湖へと漕ぎ出していった弟子たちでしたが、激しい突風が起こり、船は水浸しになるほどでした。私たちが世の中から離れて、安全な安定した場所から離れて、イエス様に従って湖へと漕ぎ出すとき、そこにはいつも嵐が襲ってくるのです。嵐は私たちを飲み込もうとし、私たちを誘惑します。「イエス様に従うことをやめて、安全なこの世へと帰ってきなさい。」悪魔の誘惑はいつも、私たちの身の安全と安定です。イエス様はこの誘惑の中にあって、私たちに信仰の決断を迫ります。「向こう岸に渡ろう」。この言葉は、まさに私たちに決断を迫る言葉です。

 

3:  キリストを寝かせる者 

 嵐の中で、イエス様は一人眠っておられました。弟子たちも、かつてはガリラヤ湖で漁師をしていたベテランの漁師です。彼らは、腕には多少の自信もあり、「向こう岸に着くぐらい、イエス様の力を借りなくても、なんてことはない。」と思っていたのではないでしょうか。そのような弟子たちの思いが、イエス様を必要ないお方とし、眠らせてしまっていたのではないでしょうか。

 

4:  向こう岸に渡ろう

 イエス様は私たちに向かって語られます。「向こう岸に渡ろう」。(35)そこにはさまざまな困難があります。こちら側に留まっていれば嵐に遭うこともないし、たとえ嵐にあったとしても、湖の上でなければ沈むことはありません。

 わたしたちは、今、キリストに招かれ信仰の決断を迫られています。それは神の御言葉を信じて、一歩、歩みだすことです。そして、この信仰に立つことが、イエス・キリストに信頼することが、本当は、一番の安全、安心であることに気づいていきたいと思います。今、主イエスの言葉「向こう岸に渡ろう」という言葉に招かれて、信仰の決断をいたしたいと思います。