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2014.4.20 「心の目が開かられる時」 ルカによる福音書24:13- 35

 

1:  十字架の意味

 二人の弟子にとって、十字架の出来事はどのような意味をもっていたのでしょうか。二人は、イエス様がイスラエルを解放する方と信じていたのです。当時、イスラエルは実際に解放を必要としていまいた。それはローマという国からの解放、その政治的な支配下からの解放を待ち望んでいたのです。その弟子たちにとっては、主の十字架は、悲惨であり敗北の出来事でありました。十字架の上でのイエス様の死、その姿は敗北であり、望みが打ち破られた出来事であったのです。この十字架の出来事は、弟子たちにとって衝撃的な出来事だったでしょう。それはまさに生きる道、生きる希望を失った時であります。

 

2:  近づいてくるイエス様

 そのような二人の弟子たち、十字架を敗北としてエマオに向かい始めた二人の弟子にイエス様が近づいてこられました。

 イエス様のこれまでの教えには、十字架の出来事も、三日目の復活の出来事もありました。3度の十字架と復活の預言をされたイエス様です。その言葉の理解のない弟子たちです。それは、ただ十字架と復活について、物わかりが悪いという、それ以上に、これまでのイエス様の語られた言葉の何を聞いていたのだろうか・・・イエスはだれか、救い主とはどのような方か、神の国とは何か、何を聞いていたのかとイエス様は嘆かれたのではないでしょうか。

 

3:  祈りと食事

 物わかりの悪い弟子たちにも、心に変化が生まれていました。先に行こうとするイエス様を共に泊まるために引き止めたのです。弟子たちは、その主を引き止めるのです。そこに信仰の始まりがあります。それは、命の始まりと言っていいでしょう。死んでしまった命がよみがえる瞬間の第一歩です。この第一歩によってはじまった食事の時に、イエス・キリストはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いたのです。この行為によって、弟子たちの目が開かれたのです。

 パンを裂く行為。ルカによる福音書では、イエス様による最後の晩餐式は、22章に記されています。弟子たちは、この最後の晩餐の出来事を思い出し、そしそそのあとの言葉も思い出したのではないでしょうか。それは「あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。」(ルカ22:26)という言葉です。二人の弟子たちは主のパンを裂くという行為、祈りによって、自分たちが求めていた、その求める方向自体が、主の言葉とは反対を向いていたことを知ったのではないでしょうか。主イエスはずっと「仕える者になりなさい」と教えてくださっていたことを思い出したのではないでしょうか。これが決定的な復活のイエス・キリストに出会う出来事でしょう。つまり、さえぎられていた、心の目が開かれる時です。

 

4:  復活のキリストに出会う

 復活のイエス・キリストに出会うこと。それはここで、二人の弟子たちが打ち砕かれて、求めていたものを変えられたように、わたしたちのうちに何かすごいことを受ける出来事、自分になにかすごい力を得る時ではないでしょう。そうではなくて、求めるものを変えられることです。その生きる方向が変えられること。それがわたしたちの命が新しくされることです。