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2015.1.11 「いつも喜んでいなさい」 Ⅰテサロニケ信徒への手紙5:16-22

 「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」(Iテサロニケ5:16-18a)。教会では、この聖句が好きな人が多いと思います。なぜでしょう。、私たちは、時には喜ぶことができるが、「いつも」は喜べない、そんな自分であることを自覚しているからだからでしょうか?

 喜びというものは私たちに生きる力を与えます。喜ぶことは私たちの人生に潤いを与え、私たちの生活を瑞々しくします。ある哲学者は悲しみや絶望は人間的で自然な感情であり、喜ぶこと、希望することは私たちの「意志」の問題であると言っています。確かに、テレビや新聞などのニュースを見たり、聞いたり、読んだりしますと、そのほとんどが暗い、悲しいニュースです。私たちはまさに自然にまかせれば、悲しみや辛さに囚われてしまいがちなのです。私たちは今日、このような状況に直面して、どうして喜んでいられるでしょうか。しかも、パウロは「いつも」喜んでいなさいと命じているのです。

 しかし、ここで注意せねばなりません。パウロは、私達とは全く違う視点からものを言うのです。喜びの根拠がこの世の人たちとは違っているのです。パウロは言います。「これこそ、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに望んでおられることです」。「キリスト・イエスにあって!」。そうです。ここに私たちの喜びの源泉があり、喜びの根拠があるのです。神は私たちのためにご自身の独り子をお与えになり、私たちの罪を赦して下さったのです。だから、「神を喜ぶこと」、これが私たちの課題であり、人生の意味なのです。

 「絶えず祈りなさい」とパウロは言葉を続けます。ここでも、「これこそ、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに望んでおられることです」という原点に立つことが重要です。神は私たちの祈りを聞き届けようとして待っておられ、キリストは私たちのために「絶えず」執り成し祈っておられるのです。

 さらに、「すべての事について、感謝しなさい」。「すべての事に」という戒めは私たちをイエス様の恵みへと押しやるのです。ここに感謝の源泉があり、私たちの感謝の根拠があるのです。喜びのない、祈りの少ない、感謝を忘れる私たちは、イエス・キリストの深い愛をすでに賜っているのです。み子イエス・キリストの到来と十字架にいたるまでの愛を感謝せずに、私たちはいったい何に感謝しようと言うのでしょうか。だから、消えかかっているようでも私たちに与えられている聖霊の火を消してはならないのです。(松見 俊)