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2015.5.24 「愛を繋げる方」 ローマの信徒への手紙12:17-21

1:  ペンテコステ

 キリスト教での三大祝日はクリスマスとイースターとペンテコステです。ペンテコステは、イエス・キリストの復活の時から「50」日目に起こった聖霊の注ぎのときをペンテコステといいます。ペンテコステという名前は、復活から50日目ということでギリシア語の「50」の数字から由来します。

 ペンテコステは最初の教会ができたときです。聖霊の注ぎが教会を生み出した。それは神様が人間を作りかえた、人間が神様と正しい関係を受け取ったときともいうことができるのだと思います。


2:  悪には悪を?

 私たちの世の中は、「やられたらやり返せ」という言葉が常識となっているのではないでしょうか。そして近頃では、人間が作り出したこの常識さえも覆す時代となったといえるのではないでしょうか。テロの問題へと続いていくうちに生まれた、まさに「やられる前にやってしまえ」という時代であります。そして日本の「集団的自衛権」とは、まさにこの考えから「自衛」のためといって、「やられたら、やり返す」のではなく、「やられる前にやってしまえ」と、そのような時代の中で、戦争を行う道に進んでいるといえるのです。

 聖書は「悪をもって悪に報いるということをしてはならない」と教えているのです。そしてこの言葉は、まさに私たちの常識を覆す言葉なのです。


3:  善をもって悪に勝つ

 神様は御言葉をもって「悪をもって悪に報いるな」と語ります。たとえ、あなたの敵であったとしても、相手が、飢えているならば、食べさせ、渇いているならば、飲ませなさいと、そのように語るのです。今、私たちの社会は、「やられたらやり返せ」というのが常識になっています。そしてすでに、それ以上に、「やられる前にやってしまえ」という常識へとなりつつあります。私たちは、このことを、よくよく考えなくてはいけないのではないでしょうか。「やられる前にやってしまえ」という常識が、どれほど悲惨で、恐ろしい常識か。そのことを考えなくてはなりません。

 イエス・キリストは、「あなたの敵を愛しなさい」と言われました。そしてそれはイエス・キリストが自ら歩まれた道です。主イエスご自身は「悪に対して善で報いる」という道を歩まれました。主イエスは人間の罪と悪に、究極の愛、自分の命を通して報われたのです。


4:  聖霊が導く道

 ペンテコステとは、聖霊が与えられる日であります。聖霊が与えられる時に、私たちには相手の心を受け止め、共に心を通わせる力を与えられるのです。人間はペンテコステのときに、聖霊を受けるのです。「敵を愛する」という神様の導きの力を受けるのです。わたしたちはペンテコステのときに、神様からの聖霊を受けましょう。新しく作り変えられ、一歩を踏み出したいと思うのです。