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2015.6.14 「神の恵みの管理者として生きる」 Ⅰペトロの手紙4:7-11

 教会で、「スチュワ-ドシップ」という言葉を聞いたことがありますか?「スチュワ-ド」という言葉は、女性形の「スチュワ-デス」という形で良くご存じでしょう。飛行機の乗務員のことです。乗客の安全やサ-ビスに心を配りますが、最近ではクル-とかパ-サ-とか言うようです。

 Iペテロ4:10には「あなたがたは、それぞれ賜物をいただいているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かしてお互いに仕えなさい」とあります。ここでは善い「管理者」と言われているのが、「スチュワ-ド」です。「スチュワ-ドシップ」とは、神様から委ねられている様々な恵みへの応答者として、管理者として生きること、もっと平たい表現で言えば、神の「しもべ」として生きることを意味しています。

 1.「万物の終わりが迫っています」。私たちの人生は無制限に与えられているのではありません。ただ一度しかない、限られた時を生きているのです。時間をはじめ、わたしたちの体を含めた命、才能、財産などは決して自分のものではなく、神から期限付きで貸し与えられているものなのです。私たちは自分自身の人生の所有者ではなく、神がそのオーナーです。

 2.だから、「思慮深くふるまい、身を慎んで、よく祈りなさい」と命じられています。「終わり」という言葉は「完成」「目標」というような意味でもあり、神様の正義と愛のみ国、私たちの救いが完成することです。だからこそ、何かに酔っぱらったり、度を過ごしてしまったり、激情に駆られることから遠ざかり、祈ることが勧められています。そして、心をこめて愛し合うことが勧められています。

 3.「さまざまな」賜物と呼ばれているように、それぞれが違った、ユニークな賜物をいただいています。私たちはしばしば自分自身の中に何の良きものをも見出せず、他者の才能や富を羨み、落ち込みます。あるいは、あたかも自分がすべての賜物を所有しているかのように振る舞い、人を傷つけます。自分に何が「ないか」、自分の妻や夫、親や子ども、仕事仲間に何が「ないか」、教会のあの人に何が「足りないか」をあげつらうよりも、「与えられているもの」を発見することからスチュワードシップが始まるのです。

 4.そして、「それをお互いに仕えなさい」と言われています。ここでも私たちは勘違いをしているのではないでしょうか。賜物は自分のため、自分の利益、自分が注目を得るためと考えるのです。しかし、み言葉はそれを「お互いのために役立てよ」と命じます。自分にとっては何の役にも立たないと思っているものが他者のために用いられるのです。あの人には何の役にも立たないと思っているものが、この人を助けることができるのです。ここに、教会はじめ、人間の交わりの不思議さがあるのです。(松見 俊)