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2015.8.30 「新しく造り変えられて生きる」 ローマの信徒への手紙12:1-2

 孫たちは「ピカチュウ」のアニメが大好きですが、経験を積んで「進化」すること、自分であることは一貫しているのですが、新しいかたちに変えられて生きることを喜んでいます。年を取った人間にとっては「造り変えられ、新しくなること」は可能なのでしょうか?あるいは、そのように変えられて生きることは私たちの希望になるのでしょうか?

1.「からだ」を捧げよ

 パウロは「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとしてささげなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です」(ローマ12:1)と言います。聖書では、「からだ」とは肉体というよりも、「私自身のこと」「他の人たちとの関わりに生きるわたしという人間全体のこと」を意味しています。イエス様が、体ごと、全身全霊、十字架に至るまでの、命がけの愛で私たちを愛して下さっているのであれば、私たちの日々の応答もまた、体ごと、命がけのもの、イエス様との関係の中にあるはずだというのです。

2.犠牲として捧げる

 パウロは「神に喜ばれる、聖なる生けるいけにえとしてささげなさい。」と言います。ここでは、旧約聖書において羊や山羊あるいは牛などの動物を「生け贄」として、「犠牲」として捧げた習慣、イメージがその背後にあると言ってよいでしょう。「犠牲」は今日、流行らない事柄です。国や、企業や家族のために犠牲にならない、自己実現こそ大切な価値観だからです。しかし、自己犠牲でも自己満足でもない、神と隣人のために心を燃やしていきる課題を見つけていきることが大切でしょう。

3.この世の図式(スキーム)に倣ってはいけない

 パウロは、「あなたがたは、この世に倣ってはなりません」と言います。私たちの社会は目まぐるしく変化し、ますます複雑になっているように見えます。しかし、どんなに多様化し、複雑化したところで、この世の目論見、図式は露骨なほど単純明快です。あくなき自己追求、自己中心的生き方です。わたしたちはこの一点で妥協してはならないのです。

4.「心を新たにして自分を変えていただき」

 パウロは「むしろ、心を新たにして、自分を変えていただけ」。「何が神の御旨であるか、何が善いことであって、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるように」と勧めます。「メタモルフォーゼ」とは「変態」を意味しています。蝶は幼虫のときは青虫、それが「さなぎ」になり、そして蝶になります。それぞれ形は変わっても本質的には同じ蝶です。固定的な「かたち」に拘らず、み心を求めてそれにふさわしい「かたち」を採っていけというのです。(松見 俊)