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2016.5.29 「信仰の継承と発展」 (要約) 申命記6:16-25

先月末、私は、西南学院大学神学部の他の学生の方から一通のメールを受け取りました。それは、西南学院大学に客員研究員として毎年来日されるユダヤ教のラビ(教師)が、神学部の寮で先生や学生と一緒に行った過越祭(ユダヤ教の祭りの一つ)の様子を撮影した写真でした。私自身は欠席したのですが、その写真を見て、一つのことを考えさせられました。それは世代を超えた継承を大切にしてきたユダヤ人の姿です。

 

 翻って私達クリスチャンはどうでしょうか。私達は家族や友人を教会に誘います。初めて来られた方が教会に繋がるよう努力します。また、クリスマスや特別伝道集会の前には案内チラシを配ったり、手紙を書いたりします。こうした伝道の業が大切であるのは言うまでもありません。しかし一方で、次世代への継承の問題についてはどれだけ考えてきたでしょうか。正直に言うと、私自身はそれが全然出来ていませんでした。「個人の主体的な信仰を大切にする」というバプテストの考え方を、信仰はあくまでも個人的な事柄であるとずっと理解していました。しかし、信仰に導かれる人が起こされても、二代目、三代目、四代目と継承されていかなければ、教会はいつまで経っても一からのスタートになってしまいます。

 

 夜の祈祷会では今創世記が読まれていますが、主なる神がアブラハムと結んだ契約は子孫に対する約束でした。私達の人生は短いので、一代で出来ることは極めて限られています。信仰は一代限りのものではなく、継承されるべきものです。クリスチャンは、一代限りではなく代々にわたって、主なる神の御心の実現のために働くことを求められています。そして、主なる神が信仰の教育と継承のためにイスラエルの民にお与えになったのが律法です。

 

 今日の聖書箇所では、「我々の神、主が命じられたこれらの定めと掟と法は何のためですか」(20)と将来子供から尋ねられた時のことが記されています。出エジプトを実際に経験したわけではない子供達は、約束の地カナンに到着した後、自分の周囲にいる他の民族を見て、主なる神の言葉に従うことに一体何の意味があるのかと感じます。そして、堅苦しいことを言わずに、カナンの地の人々の生き方を取り入れたらいいではないかと親に疑問を投げかけます。そのような子供達に、しっかりと語り伝えていかなければならないことがあると主なる神は言われます。申命記に記されている律法から、私達が主なる神の教えに従って生活するために大切にすべきことを確認しましょう。(柏本 隆宏)