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2016.6.26 「召命、そして旅立ち」 (要約) 創世記12:1-9

1.人の決断よりも先に主の言葉がある

 主はアブラハムに、“私が示す地へ行きなさい”と命じます。この主の命令にアブラハムは何の躊躇もなくただ従っています。ここに私たちはアブラハムの強い決断力、主へのゆるぎない信仰を見るべきなのでしょうか。確かにアブラハムは、私たちの称賛に価する強い信仰と神への信仰を持っていましたが、アブラハムのこの第一歩も、まずは1節「主はアブラムに言われた」、この主の呼びかけ、召命(calling)が先にあったからこそ可能であったのです。

 

2.旅立つということ

 生まれ故郷、父の家とは、アブラハムにとって安心できる場所です。しかし、神の呼びかけ(召命)は時にそのような安住の地から離れて、神の示す地へ行く一歩を踏み出すことを要求します。主の言葉に従うことは、私たちが今いるところを離れて、別のところへ行くという決断と行動を伴うのです。私たちがそのように一歩を踏み出し旅立つその先には、主が用意してくださった祝福が私たちを待っている、そのような希望を私たちは持つことができます。

 

3.共に旅立つ人々

 アブラハムと共に旅立った人達がいました。旅の中では、アブラハムには彼の家族や一族の支えと協力があったと考えてよいと思います。アブラハム一族、この家族のグループは共に祈り合ってハランから出発をし、支え合って旅路を続けたのです。

 イエス様の教えを実現していこうとする私たち教会の歩みも、私たち一人一人がばらばらに歩むものではなく、私たちは“共に”信仰の旅路を歩むべく主に召された家族、“共に”召命を受けた家族です。

 

4.私たちのいるところは仮の住まい

 天幕とはテントです。テントは一時的な住まいであって長くいる場所ではないことを表します。私たちの信仰の歩み、私たちのこの世での歩みは、天の御国を思う時、一時の逗留生活のようなものです。しかし、神の祝福に入れられるという希望と約束を与えられた逗留生活であり、決して先の見えない行先不透明な放浪生活ではありません。

 その中で、アブラハムが都度神を礼拝したように私たちも共に歩む信仰の旅路の中で、日々、主を呼び、主を礼拝するのです。普段別々の場所で生活している私たちが毎週主の日に教会に集まって、共に礼拝を捧げることを喜び、主を讃美しつづけていきましょう。(酒井朋宏)