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2016.9.21 「われらの日用の糧を今日も与えたまえ」 ヨハネによる福音書6:1-15

1.食べ物―最も基本的な必要

 世界には飢餓と貧困が大きな問題として存在します。それに対して、自分は大したことはできない、またはほとんどの場合何もしようとしないのではないと思わされると、辛い思いがいたします。そのような“諦め”の気持ちを持ち、いつしか社会の、身の周りの問題に目を背けるようになってしまうのではないでしょうか。今日の箇所は、そのような私達の気持ちに、神様であるイエス様が語りかけてくださっている、そんな箇所であると思います。

 

2.人々の苦しみを御自分の苦しみとして下さる神

 イエスさまの“どこからパンを買って来て、この人たちが食べられるようにしようか?”というお言葉。人が空腹で苦しむことをイエス様が御自身の事としておられたことが、この言葉に表されており、それはイエス様が、“この大勢の人達に食べさせることは私の責任だ”と決意された言葉ではないでしょうか。

 

3.信仰とは神に頼り、感謝すること

 信仰とは、神に頼ることです。私達は、基本的に「自分のことは自分でやる」、人に頼りたくない、そんな思いが強いです。しかし私たちはその思いから自由になり、必要な事を神に求めて、神様に頼ることが許されています。どれほどすぐれた能力を持つ(与えられた)者であっても、すべての必要は神から与えられる、キリスト者はこの事を日々知り、主に感謝を捧げるものでありたいと思います。

 

4.諦めを大きな祝福に変えてくださる神

 フィリポとアンデレは、諦めの一言を漏らしましたが、イエス様はその諦め、人々の絶望の中から、それでもそこにあった5つのパンと2匹の魚を祝福して、人々の必要を満たしました。「何にもありません」、「これしかありません」という人間の諦めを受け止めて、そこから大きな業を起こされました。

 

5.本当の“王”とは

 人々が自分に対してもっている期待を知り、イエス様はひとりで山に退かれました。奇跡的な力を持ったかた、ローマの支配を打ち破ってユダヤの独立を回復してくださる方、そのような人々の思い描く王のイメージ、人々はイエス様を無理やり連れて行って、そのような自分たちの王にしようとしました。しかし、イエス様はそれを拒絶されました。人々が望むような王になることがイエス様がこの世に生まれてきた目的ではなかったからです。イエス様がこの世に来られた目的は、私達の罪のあがないのために十字架に架かって死ぬこと、私たちの罪を赦すためであったからです。(酒井朋宏)