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2016.10.16 「救いの系図」 (要約) マタイによる福音書1:1-17

1:  アブラハムの子 ダビデの子 

 今日はマタイによる福音書の1章になります。1章は、まずイエス様の系図が記されています。もともと系図というのは、誰がどこからきたのかを表すもので、誰かを権威づけるために記されるのではないでしょうか。マタイによる福音書では、イエス様はアブラハムの子、そしてダビデの子なのだと言います。それはイエス様が、イスラエルの民が待望し、待ち続けていたメシア、救い主であるということを言っているのです。

 

2:  女性の名

 イエスは旧約聖書の時代から待ち続けていた、イスラエルの救い主であると記しています。ただそれがアブラハムという信仰の父、ダビデという王様としての権威ある者の子孫であり、イエス様は偉くて、権威ある者としてこの世に来られた者であるとだけ語っているとは言えないのです。

 この系図には女性の名前が記載されています。しかもイスラエルの民にとって、隠しておきたい先祖の罪を思い出す名前が記されているのです。異邦人として軽蔑された者、罪ある者とされ、また貧困のなかにおり、人間の欲望に振り回され、不安の中に生きた者たちの子孫として、イエス様はこの世に来られたのです。

 イエス様の系図は、苦しみや痛み、人間の弱さのうちに生きてきた人間の中心に来られたということを表すのです。イエス様の系図は、イエス様が本当の救い主であるということ、人間の弱さに寄り添い、罪を受け止め、その罪のために、来られたことを表しているのです。

 

3:  寄り添われる方

 イエス様は人間の苦しみや弱さに寄り添う方です。貧困という現実の生活の苦しみや、人間の罪に振り回される時、そして神様の導きの中で、戸惑いながらも信じる道を選んでいく、それぞれの人間の現実と共に生きる方なのです。他者に寄り添うことはどれほど難しいこと、そして苦しいことなのでしょうか。他者に寄り添うことは自分も痛みを伴う行為なのです。自分自身の人生が揺るがされるのです。

 私たちの主イエス・キリストは私たちと生きるために、私たちの痛みを共に受け止めるために、十字架の上で死なれたのです。神様はそれほどまでしても、私たちと共に生きる道を選ばれたのです。

 これが主イエス・キリストによる、私たちに与えられた救いです。

4:  愛されている者

 今日の系図が表すことは、主イエス・キリストが私たちの救い主であること、私たちを愛していることを表しています。私たちは神様に愛されています。神様は私たちのすべてを包み込み愛してくださっているということを覚えましょう。私たちはどのような者であっても愛されているのです。神様はその命をかけてまで、私たちを愛してくださっているのです。