1 出エジプト記
出エジプト記はその名の通り、イスラエルの民がエジプトを出ていく内容となっています。奴隷状態にあったイスラエルの民がエジプトから脱出していくのです。出エジプト記では二つの重要な出来事が記されています。一つはエジプトからの脱出の出来事であり、もう一つはシナイ山での律法の授与という出来事です。出エジプトの出来事は、イスラエルの救いの象徴的出来事となります。「あのエジプトからの脱出の出来事を思い出してみよう。神様は必ず私たちを救ってくださる。」そして、荒野を歩き続けたイスラエルの民に律法が与えられます。この世の権力から脱出した人間の生きる道が示されました。
2 モーセ
出エジプトの中心的人物としてモーセが現れます。モーセの人生には多くの謎が含まれています。ヘブライ人でありながらも、エジプトの王子として育てられたこと。ファラオのもとから逃げ出しミディアンの地方まで行くのですが、この距離を行ったり来たりすることは簡単ではないことなど、モーセという人間についてはつじつまの合わないところがあります。
3 国中にあふれたイスラエル人
創世記46章でエジプトへ移住したヤコブの息子たちです。その数は70名であったことから、つながるようにここでも70人と記されています。12人の世界から70人の世界へ、そしてイスラエルの民へと、創世記から新しい世界が開かれ、広げられていくのです。イスラエルの民の人口が増えていくのは神様の祝福を表します。
4 ヨセフを知らない王
イスラエルの民の繁栄は、人間的権力の支配を脅かすこととなりました。ヨセフのことを知らない新しい王が現れます。ヨセフのことを知らないことは、ただヨセフという人物を知らないだけではなく、ヨセフを通して神様のなされた命の御業を知らないのです。神様の御業を知らない王にとっては神様の命のできごとは災いであり、敵対視するものとなっていました。それに対して神様はイスラエルの民の痛み、苦しみ、嘆きを知っていました。神様は人間の苦しみに目を留めてくださいます。
5 愚かな政策
王はイスラエルの民を支配するために重労働を課したのです。新しい王は強制労働や虐待によって人を支配しようとしたのでした。私たちは何かに支配される者です。神様に支配されるということは、私たちが自由で何でもしてよいということではなく、神様の御言葉に仕える者となるのです。
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