１：　　東の国の博士たち

　「東の国の博士」という話は、イエス様の誕生物語の中でも、特に多くの分析や解釈がなされてきました。今日は、そのいくつかを紹介いたします。

　まず「３人」というのも贈り物の数に合わせて３人となっただけで、聖書には３人とは記されていないのです。またイエス様に権威や名誉を付け加えるために「黄金」「乳香」「没薬」を献げたのは、３人の王様であったという考えもあります。さらにノアの子ども、セム、ハム、ヤフェトという人類の三つの民族の先祖とされる３人の子どもであったという考えもあります。また、様々な年齢、民族を表すために、３人は、こどもと大人と老人であり、また、白人と黒人と黄色人であったという考えもあるのです。

２：　　神を畏れる者、畏れない者

　今日の箇所の中心的な登場人物は、占星術の学者とヘロデ王です。占星術の学者は星の導きを喜びました。しかしヘロデは不安をいだいたのです。占星術の学者はヘロデの「見つかったら知らせてくれ」という言葉ではなく、夢のお告げ「ヘロデのところに帰るな」という言葉に従ったのです。ここに、神様を畏れていた姿を見ることができるのです。

　それに対して、ヘロデ王は神様を畏れてはいなかったのです。私たち人間の心には神様を畏れない心が生まれるのです。神様を受け入れたのは東の国の博士たち、つまり異邦人でした。私たちには神様を畏れる心も与えられているのです。しかしそれは心の異邦人、つまり心の外側に置いてしまっているのです。私たちは必要な時にだけ、神様を畏れ、神様を受け入れているのではないでしょうか。

３：　　心の中に来られたキリスト

　皆さんは、イエス・キリストに心の中に来てもらうために、自分の心を開く準備ができているでしょうか。神様を畏れて生きる準備ができているでしょうか。イエス・キリストは、人間としてこの世に来られて、神様との関係をきちんと整えてくださいました。人間と神様の関係を結びつけてくださったのです。イエス・キリストの救いを見る行為は、天を見上げていく行為ではありません。イエス・キリストは、この世に生まれました。私たちの隣に、私たちの間に来て下さっている、イエス・キリストを見ていきましょう。（笠井元）