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2017.1.11 「モーセの召命」 出エジプト記3:1-12

1  道をそれる

 モーセはミディアンの地で住んでいました。モーセの年齢は7章で80才と記されていますので、今日の場面でもモーセはすでに80才に近い年齢であったのです。モーセは体力も気力もだいぶ衰えていたでしょう。このまま主の御許に召されていくのだろうと思っていたのではないでしょうか。

 そんなある日、モーセは柴の間に燃え上っている炎を見るのです。柴は燃えていたらそのうち燃え尽きていく、それが自然の摂理です。しかし柴は燃え尽きません。この光景をみて、モーセは「道をそれて」やってきたのです。道をそれるというのは、モーセがこれまで送っていた人生の道をそれていったという意味を表しているのでしょう。

 

2  足から履物を脱ぎなさい

 モーセに対して神様は呼びかけられました。神様の呼びかけからは、神様の主体的招きを見ることができます。神様は「ここに近づいてはならない。足から履物を脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる土地だから。」(5)と言われました。

 履物を脱ぐことは、これまでのモーセの歩いてきた、「過去の経験や立場を脱ぎ捨てなさい」ということです。神様はモーセが新しい道を歩き出すときに、靴を脱ぐことによって、これまで歩いてきた自分の道を、一度脱ぎ捨てなさいと教えられているのです。

 また履物は自由人のしるしでもありました。奴隷は履物を履いていなかったのです。神様はモーセに、神の奴隷、従う者として歩き出すようにと求めていることを示しているのです。

 

3 痛みを知った方 

 神様はイスラエルの痛みを知り、叫び声を聞いてくださったのです。同様に、神様はそのモーセの心の痛みも知ってくださったでしょう。神様はイスラエルの民をただの民という集団、何十万という数でみられているのではなく。モーセという一人の人間に目を向けているように、イスラエルの民を人間一人ひとりの救いのために心の痛み、叫びを聞いてくださっているのです。神様は一人ひとりの痛みを知る方なのです。

 

4  わたしは必ずあなたと共にいる

 モーセは「わたしは何者でしょう」(11)と答えます。モーセは自分が救い出されることを受け入れたのでしょうが、しかし、そこから「進みだしなさい」という言葉を素直には受け入れませんでした。

 神様は私たちにイエス・キリストによる救いを与えられました。キリストは私たちのために生きてくださったのです。私たちはこの救いを得て、キリストのために生きる者となることが望まれているのです。神様が「わたしが必ずあなたと共にいる」という道は、神様と共に生きようという思いの中で実感として与えられるのです。