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2017.4.16 「閉じ篭りからいのちの解放へ」 (要約) ヨハネによる福音書20:19-23

 主イエスの復活を祝う、イースターおめでとうございます。十字架において私たちの弱さと絶望と孤独に連帯し、死者の中から主イエスをよみがえらされ、愛といのちの勝利をもたらしたもう神のみ名をあがめます。今朝、司式者に読んでいただいた聖書箇所には、陰と光のような、はっきりしたコントラスト(対比)が描かれています。ユダヤ人を恐れ、閉じ篭っていた弟子たちの「恐れ」と復活された主イエスに出会った弟子たちの「喜び」です。

 

1.緊急避難としての閉じ篭り

 「その日、すなわち一週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのおる所の戸をみなしめていた」(ヨハネ20:19a)。「その日」とはイエス様がよみがえられたあの日曜日のことです。しかし、なんと、「弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた」のでした。かれらはいまだに、恐れの闇に閉じ込められたままでした。今日でも傷つけられること、傷つくこと、人を傷つけることを恐れて部屋に閉じこもり、鍵をかけるという気持ちはだれもが経験していることです。

 

2.閉じ篭りの突破

 鍵をかけた部屋、そこだけが彼らの安全地帯でした。しかしそこの空気は何か澱んでいたのです。だれも入ることはできませんが、だれにも会うことができないからです。ひとは一人でいる時でも他者に傷つけられているのです。しかし、素晴らしいことが起こりました。夕方の黄昏に霧がかかるような陰の中に、光が差し込んできたのです。驚くべき出来事が起こりました。「イエスが入ってきて、彼らの中に立ち、『安かれ』と言われた」のです。あの聞きなれた「シャローム」と呼びかけるみ声です。「弟子たちは主を見て喜んだ」。そっと入ってこられて、イエス様は十字架につけられ、見捨てられ、孤独の中で殺されたお方なのです。「そして、手とわき腹との傷をお見せになった」。十字架の死に至るまで人を愛し抜かれ、私たちの弱さと孤独に連帯して下さったあのお方がよみがえらされたのです。

 

3.聖霊を受けよ

 更に、素晴らしい言葉が続きます。「聖霊を受けよ。あなたがたがゆるす罪は、だれの罪でもゆるされ、あなたがたがゆるさずにおく罪は、そのまま残るであろう」。「聖霊を受けよ」。人に傷つき、人を傷つける私たちの日常生活の中で、身をまもるために引きこもり、閉じこもりがちな私たちが、主イエスの風を受け、新しいいのちを受け、主イエスのいのちの息吹を吹きかけられて世界へと派遣されていくのです。(松見 俊)