1: 善きサマリア人
「善きサマリア人」の話はイエス様がなされた有名なたとえ話の一つです。この話の中心的な内容は「隣人を愛しなさい」です。お話のポイントは二つです。
一つ目のポイントは、「祭司」と「レビ人」の存在です。この人たちは、なぜ強盗に襲われた人を助けなかったのでしょうか。聖書の規定の中には、「死人に触れた人はその人も汚れる」そのため「7日間体を清めなければならない」という規定がありました。「祭司」と「レビ人」はこの神様の教えに従って襲われた人を助けなかったのです。
もう一つのポイントとして、今日のお話がどのような状況のうちに話されたかということです。この「善きサマリア人」の話は、「わたしの隣人とはだれですか」という問いに答えた、イエス様のたとえ話なのです。イエス様が言われたことは「隣人を愛することを実行しなさい」ということです。
2: 目の前にいる愛すべき人
イエス様の言葉を聞いて、自分がこの3人の人間、祭司、レビ人、サマリア人の中のどの人物であるか、自分自身に問うてみましょう。イエス様は、神様のためとか、今は時間がないとか、自分には自分のしなければならないことがあるなどという理屈を言っていないで、目の前にいる人を助けること、まず目の前の人を愛するように求めているのです。
3: あなたの隣人とはだれですか
神様は、私たち人間のことを愛されています。疲れて、倒れそうな私たちを見捨てず、自分の命を削ってでも、私たちと共に歩き、立ち上がるまで見守っていてくださるのです。私たちが他者を愛するということは、この神様の愛を、自分を通してつなげていくことなのです。溢れるほどの愛をいただき、私たちが心に命を吹き込まれ、笑顔で生きる時、その愛は自然と広がっていくのです。
「あなたの隣人とはだれですか?」この問いに、神様は、「わたしの隣人とはあなたです。わたしはあなたを愛しています。」と答えてくださいました。「あなたの隣人はだれですか?」それは「誰を愛するか」ということです。聖書はわたしたちに問いかけています。「あなたは誰を愛するのですか?」「誰を自分の隣人とするのですか?」(笠井元)