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2017.12.27 「苦い水」  出エジプト記15:22-27

1. マラの場所

 今日の箇所はエジプト、葦の海からの旅立ちです。奴隷という立場から解放されたイスラエルの民が向かったのは荒れ野でした。シュルの荒れ野はエジプトの近くで、国境でもあったのです。「イシュマエルの子孫は、エジプトに近いシュルに接したハビラから・・・」(創世記25:18)、「サウルはハビラからエジプト国境のシュルに至る地域でアマレク人を討った。」(サムエル記上15:7) イスラエルの民は荒野を三日進んでマラにたどり着きました。マラの位置は聖書の地図2「出エジプトの道」では「マラの苦い水」として場所が示されています。ただ実際のところは不明です。

 

2. つぶやき

 イスラエルの民は水のないまま三日間歩き続けました。三日間歩き続けて、ついにマラに着き、水を発見したのです。しかし、その水は苦い水でした。信じて歩き続けたその結果が希望を裏切る結果だったと言えるでしょう。

 ヨブの姿はまさにそのような姿です。ヨブは多くの財産を失い、家族を失っても「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」(1:21)と言ったのです。ヨブは神様に信頼し続けたのです。しかしヨブも3章からは「なぜ、わたしは母の胎にいるうちに、死んでしまわなかったのか。せめて、生まれてすぐに息絶えなかったのか。」(3:11)と嘆きだすのです。

 信じて信じて、それでもその結果が絶望から変わることがないとき、人間は嘆き、不平不満を言いだし、つぶやくのです。

 

3. 救いの出来事

 イスラエルの民のつぶやきを聞いて、モーセは神様に執り成します。これからの記事でも、基本的なパターンとなるのです。神様は一本の木を示されました。その木によって苦い水は甘くなっていったのです。実際に砂漠に生える茨の植物の中で、苦い水を飲み水に変えることができるものがあると伝えられています。

 

 神様はこの世にいつも当然のようにある一つの小さな木で、救い出されたのです。イスラエルの民はたった一つの木の枝で救われるのです。私たちは、身近な一つの小さな存在から神様の愛を知るのです。この一つの小さな存在に目を向けることができるでしょうか。

 

4. 神様に従う基本姿勢

 不平不満を言うこと、つぶやくこと、そのこと自体は悪いことではないでしょう。神様につぶやくこと、それも一つの神様との関係です。

 「もしあなたが、あなたの神、主の声に必ず聞き従い、彼の目にかなう正しいことを行い、彼の命令に耳を傾け、すべての掟を守るならば、わたしがエジプト人に下した病をあなたには下さない。わたしはあなたをいやす主である。」(15:26)神様は「聞き従い・行い・耳を傾け・守るならば・いやす主である」と言います。

 神様は、私たちを試されるのです。聞き従い、行い、耳を傾け、守りなさいと。そして、そうすればあなたは癒されると教えているのです。(笠井元)