1.十字架を示すイエス
十字架にかけられて死に、3日目に復活して弟子たちに現れたイエスは、最後に弟子たちをベタニアの辺りに連れて行きました。ベタニアは、オリーブ山にある小さな村です。
ベタニアやオリーブ山は、イエスと弟子たちにとって馴染み深い場所です。イエスと共にベタニアの方へと向かう弟子たちは、かつてイエスがオリーブ山で語ったことや、ベタニアで教えてくれたことを思い返したことでしょう。そしてその教えとは、「神の国」や「終末」、そして「十字架」についてでした。
ベタニアの辺りに来るとイエスは、手を上げて弟子たちを祝福しました。ギリシア語本文ではこの「手」という単語は、複数形になっています。つまりイエスはここで、両手を上げて弟子たちを祝福したということです。その、両手を上げるイエスの姿は、十字架にかけられたイエスの姿に重なるのです。
2.終わらない祝福
51節には、「祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた」とあります。
イエスは弟子たちを祝福しつつ天に上げられました。つまり、イエスの祝福は終わっていません。イエスは十字架にかけられた姿で、今も変わらず、弟子たちを祝福し続けています。
そして弟子たちとは、私たち一人ひとりです。イエスを自分の主と信じる全ての人は、イエスの弟子なのです。
イエスは弟子である私たちを、今までずっと、今も、そしてこれからも祝福しておられます。その祝福は、十字架の上からの祝福です。イエスは私たちを、十字架の上から祝福し続けています。
3.イエスを礼拝する
弟子たちは変えられました。イエスが捕らえられた時、恐れて逃げていった弟子たちが、今や大喜びでエルサレムに帰ります。彼らに恐れはありません。イエスが引き渡され、十字架にかけられたエルサレムで、しかも祭司長や律法学者たちの集まる神殿で、彼らは絶えず神をほめたたえます。
私たちも、イエスの祝福をもう一度受け取り、この弟子たちのように喜びに溢れ、恐れることなく主を賛美し、キリストを証しする者へと変えられていきたいと思います。(安里道直)