1: 親子関係
親子関係は、生まれた時からすでに与えられている関係です。親子関係は、自分では選ぶことのできない、神様から与えられた特別な関係です。それだけに、親子関係はとても重要です。初めての人間関係である親子関係は、その後の様々な人間関係に影響を与えます。
2: なぜ父と母を敬うのか
「父母を敬え」。理由は「そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生きることができる。」(12)です。
出エジプト記13:11-16:子どもが「なぜこんなことをするのか」と尋ねたときには、「神様が私たちイスラエルをエジプトの奴隷という立場から解放されたことを記念するため」と語り継ぐように教えられているのです。
神様は、親には「子どもに神様の救いの出来事を語り継ぎなさいと」教えられ、子どもには「親の教える神様の救いの出来事を真剣に聞きなさい」と教えられている。
3 間違った読み方
「父母を敬え」。という言葉は間違えると虐待行為を助長させてしまう言葉ともなるのです。コロサイ3:20、エフェソ6:1-3は「両親に従いなさい」と言います。
申命記6:4-9:「神を愛する」ことを「子供たちに繰り返し教えなさい」と教えています。親には、神様を愛することを子どもに語り伝える責任があるのです。
4 自立していく者
子どもは神様が造られた存在です。ただ親からすれば自分たちから生まれた存在とも感じるでしょう。そのため、自分の「もの」であるという勘違いをしてしまう存在でもあります。親には子どもを育てる責任があると同時に、同等の尊厳を持つ存在として、一人の人格をもった存在として認める必要があるのです。子どもは「自分」という存在を自分自身で受け入れ、親に依存する関係から、自立し、独立していくのです。
5 年を取った両親に対する敬意
「必要か」「必要でないか」という価値観で理解すれば年を取った親、障害者や弱い者、貧しい者や能力のない者は「必要ない」とされます。
マルコ7:9-12では「年を取った親を見捨てるために、自分の財産は親ではなく、神様に捧げられていた」とも記されています。
「年を取った両親」。その意味を広げれば「弱い者」「貧しい者」「力のない者」を大切にしなさいという言葉として読み取ることができます。神様は奴隷イスラエルを救い出した方です。弱き者、小さき者を救いだされた、これが神様の御業です。(笠井元)