1: パウロとアポロ
「成長させてくださるのは神です」。この御言葉は、神様が世界を創り、命を造り養ってくださっているという、大切な言葉なのです。
今日の聖書、Ⅰコリントの信徒への手紙はパウロが、コリントの教会に宛てて記された手紙となります。パウロは、コリントの教会をはじめ、さまざまな場所にキリストのことを伝え、教会を作り、そして教会に手紙を書いたのです。アポロは「雄弁者」で話をするのがとても上手だったのです。パウロがコリントの教会を作り、アポロがコリントの教会の指導者として、教会を育てていったのです。
2: 成長のために
当時のコリントの教会では「わたしはパウロに」「わたしはアポロに」(4)と言いあっていました。 つまり、創立者パウロと、その後の指導者アポロのどちらにつくか、どちらが正しく、どちらが本当に必要な教えを語られたのか、そのようなことを言い争っていたのです。
「パウロは植え」「アポロは水を注いだ」。農作物において、植える人がいなければ、水を注ぐ作物自体がなく、また水がなくては、作物は枯れてしまうのです。しかし、この作物を本当に育てているのは、やはり神様です。
ここに命の神秘があるのです。生命の神秘は私たち人間にはどうすることもできない領域です。
3: 成長させる神様
「成長させるのは神である」。神様は、今も、私たちに命を与え、そしてその命を養い、成長させてくださっているのです。私たちはこのことを忘れてしまってはいないでしょうか。神様という存在を信じることは、命に解放を与えます。肩の力を抜かして生きることができるようになるということです。命を与え、守り、養い、そして最終的に引き上げてくださる。つまり神様が最終的な責任を担ってくださるのです。
4: 神様に信頼する
確かに、私たちには、神様によって預けられた命を、全身全霊をもって大切にする責任があります。私たちはこの世界を見捨てることは許されません。自分の命を、「自分のものだから・・・」と傷つけたり、あきらめてはいけないのです。預けられた子どもの命をできる限りの知恵と力を持って、大切にする必要があるのです。そのうえで、私たちは、最後にすべて委ねることが許されているのです。私たちが最後にできることは、この御言葉に信頼することです。(笠井元)