1 契約の書
20:22から契約の書が始まります。この契約書はこの箇所から始まり、23章の終わりまで続きます。(1)祭壇について、(2)奴隷について、(3)死に値する罪、・・・(14)安息年(15)安息日(16)祭りについて。契約の書は十戒という戒めが実際の生活において、どのように適用されるか、その導入的基盤として具体的に展開しているのです。内容の中心は、神様のまえにあって誰もが平等であり、命の尊厳を守ることを求めたものとなっています。
2 契約の書の成立
この契約の書は、最終的にダビデ、ソロモンの後の分裂時代に整えられたと言われていますが、その原型はダビデ、ソロモンよりも前の時代、士師の時代にあっただろうと言われています。そして、この契約の書はその時代よりももっと前の紀元前18世紀頃に成立したとされる、バビロンのハンムラビ法典に似ている箇所が多くあるのです。
3 契約の書の導入 祭壇
20:23では十戒の第二戒、「偶像礼拝の禁止」(20:4-6)を展開した言葉として読み取ることができるでしょう。それでもイスラエルの民はこの後32章において、アロンを中心に「金の子牛」の像を造ります。アロンは金というこの世において価値のあるものを集めたのです。神様は24節aにおいて「土の祭壇」を造りなさいというのです。土の祭壇に魅力があるでしょうか。少なくとも、何も知らない人には、それが祭壇だと言わなければ、わからないようなものなのです。
4 礼拝する 20:24b
そのうえで24bでは「神様がおられるところ」は形やこの世としての価値によるものではないことを教えます。なによりも「主の名が唱えられる場所」において、「そこに神様がおられ、祝福が与えられる」というのです。
5 神様のプロセス
20:22-26と、23:20では、律法を囲い込み、その基本的解釈の基準を教えているのです。ここでは、神様が先住民、アモリ人、ヘト人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人を追い出すことを告げています。23:29-30において追い出すのにも「一年間」「徐々に」という段階的な行為を教えているのです。「一年間」「徐々に」という段階的な行為は神様の御業は一度の行為ではなく、何度も何度も時間をかけて働かれていることを表すのです。23:27-28、23:31において神様は「恐れ」「恐怖」を送ると教えます。
6 神様に仕える
(23:20-21、23:24-25、23:32-33)23章に20節からの箇所で、神様は、イスラエルの民にその土地の先住民の神々を礼拝をしてはいけない、契約を結んではいけない、礼拝場所を打ち砕かねばならないと教えます。神様に仕えるための約束です。(笠井元)