バプテスト世界祈祷週間が始まります。世界に広がるキリスト教会のために祈る礼拝の中で劉雯竹先生と徐連月さんが教会員に加えられたことは嬉しいことです。世界祈祷週間は中国に派遣されたロティー・ムーンという女性が米国のバプテストの諸教会に呼び掛けて始まりました。ロティーは、飢饉で食べるものの少ない中国の子どもたちのためにクリスマス献金を訴えたのです。彼女は、1840年12月17日ヴァージニア州ヴェーモント市で生まれました。私は、同じヴァージニア州で1年間留学生活をしましたが、南北戦争の激戦地リッチモンドという町でした。町の中心から小さな谷を一つ越えるとその丘にはかつて病院があり、ロティー・ムーンのお姉さんが働いていました。彼女も中国への宣教師を夢見ていたのですが、南北戦争中でもあり、過労や病気で中国に行くことはできませんでした。私はその丘に立って彼女らの国外伝道への思いを感じました。パウロは「福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それはわたしが福音に共にあずかる者となるためです。」と語っています。イエス・キリストが私たちを愛し、そのいのちをかけて愛し抜いてくださっている、という喜びのメッセージはだれか他者と共に与るものなのだ、と言っています。バプテスト教会はもちろんのこと、教派を超えて、全世界の教会が日本と日本社会のために祈っています。わたしたちは祈られている。その事実を知りながら生活できることは素晴らしいことではないでしょうか。「共に福音にあずかるために」という思いで、全世界のキリスト者たちが、私たちと日本のために祈っているのです。
外国に宣教師を派遣し、他者と福音を共に分かち合うときに、日本の社会のすばらしさと問題点、世界の国々の良い点と問題点も見えてきます。
私たち、直面している問題は厳しく、重たいでしょう。孤独でもあるでしょう。しかし、今朝、みなさん、お一人お一人がもれなく、神様から愛されていること、神のみ子イエス様が皆さんの傍らに居て下さること、世界のキリスト者から祈られていることを知って欲しいのです。そして、私たちも世界の隣人たちのために祈り、ささやかでも献金をしましょう。(松見 俊)