1 イスラエルから離れた神(1-3)
今日の箇所では、これまでと変わることのない神様の計画があることを伝えます。(33:1-2)しかし、3節でこのように言います。「しかし、わたしはあなたの間にあって上ることはしない。途中であなたを滅ぼしてしまうことがないためである。あなたはかたくなな民である。」(3)
神様は「かたくなな民」イスラエルを傷つけないために距離をとりました。神様の距離の取り方は、神様にとっても、イスラエルにとっても意味のある距離だと思うのです。ただ、イスラエルにとっては神様が離れていかれた「悪い出来事」です。
2 飾りをとる(4-6)
神様は、「身に着けている飾りを取り去りなさい」と言われます。「身に着けている飾り」が何なのか。一つには、イスラエルの人々がエジプトから出て行くときに、エジプトからとってきた「救いのしるし」、もう一つには、「お守りのような神具」「異教の祭具」と言われています。
どちらにしても、神様は「飾りを取りなさい」と言われ、そうすれば「あなたをどのようにするか考えよう」と言われたのです。それに対して、イスラエルは、飾り物を取り外したのです。イスラエルの民の行為は、神様に従うために行った一つの決断です。
3 神様とモーセの関係(7-11)
7節からは、神様とモーセの関係が記されていきます。「隣在の幕屋」と名付けられた幕屋は宿営の外に造られました。モーセがこの幕屋に出入りするのです。「友と語るように、顔と顔を合わせて」という表現はとても珍しいものです。本来は「神様と顔と顔を合わせて」ということはありえない状態だと考えられています。そのため、この「顔」という言葉は、神様ご自身のことではなく、その「言葉」「意志」のことを言っているとも言われています。どちらにしても、ここでは神様とモーセの関係の近さが表されているのです。
4 執り成しの祈り(12-17)
12節から、再度モーセの執り成しの祈りがはじまります。モーセと神様は「友と語るように、顔と顔を合わせて」と、とても近い関係であることが語られました。その後で、モーセは「あなたが共にいてください」と願うのです。神様はこのモーセのお願いによって、「イスラエルと共に行く」ことを約束するのです。神様はもう一度ここでイスラエルと共に歩まれることを決心されるのです。
神様の思いが人間モーセによって変えられたのです。神様は人間の言葉、願いを大切に聞いていてくださるのです。人間の祈りによって、神様は思いを変え、計画を変えられるのです。特に私たちが祈るべき祈りは、隣人のための執り成しの祈りでしょう。神様はその祈りから心を変えてくださるのです。(笠井元)