1: 使徒言行録における聖霊の働き (2-4)
①言葉
「炎のような舌が別れ別れに現れた」(3)。また弟子たちが様々な言葉で話しだしたことからも言葉についての出来事が起こったと見ることができるのです。言葉とは「イエスは主である」という信仰告白の言葉です。
②激しい風
ヘブライ語の「霊」とする言葉「ルアハ」という言葉は、「神の霊」「人間の命の息」そして「風」と訳する言葉です。創世記1:1-2の「神の霊」という言葉は「霊」というよりも「神の力に満ちた嵐」それは、激しくも風によって命をもたらす風として理解できるとされます。
③一人一人の上にとどまった
旧約聖書で神様の霊といば、預言者等、特別な人に、時々働いたのです。しかし、ここでは「一人ひとり」そして2:17では「すべての人に留まった」のでした。人間であり、神である方、そして十字架で死に、復活された方、イエス・キリストの霊だからこそ、「すべての人に留まられた」のです。
④導き主
弟子たちは「聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに」語ったのです。これは聖霊の主権性を示します。聖霊は宣教の業を導く方です。ペトロは聖霊を受けたとき、神様の導きを主体として歩き出したときに大胆に語り始めたのでした。
2: 聖霊による情熱 12-13
聖霊の注ぎは熱狂的な宗教の動きとなります。信仰をいただくということは情熱をもって、主を告白する者とされるということです。ただ現代は科学技術の発展により、合理主義が認められ、熱狂主義、宗教的な熱情、不合理的なものが受け入れられないのです。聖霊は、そのような人間の思い、合理主義を突破する力をもつのです。聖霊は、私たち一人一人を、教会を新しく創造して、造り変えてくださる力をもちます。
3: 聖霊による希望
私たちには困難があります。困難の中、神様に愛されているという恵みを受け取り、喜んで生きていく道に導いてくださる働きが、聖霊の働きです。聖霊に導かれる者の「希望は失望に終わることはない」のです。
4: 聖霊による交わり
聖霊の大切な働きとして交わりがあります。あらゆる者がそれぞれの言葉で、イエス・キリストによる福音の出来事を聞きました。ただ、どれほど言葉が通じても、心が通じていなければ、その言葉は無意味なものとなってしまうのです。聖霊は、神様と人間、人間と人間を結ぶために働きます。(笠井元)