今後の日本社会を左右するような参議院議員選挙の投票日、今朝は説教のテキストとして詩編139編を選びました.この詩編は、5つに分けられます。1~6節は、主なる神はすべてをご存知であるという全知(omniscience)について、7~12節は、主なる神はどこにでもおられるという遍在(omnipresence)について、13~18節は、天地万物を造られた創造主について、19~22節は、主なる神に敵対する者について、そして、最後は、23~24節で、静まって、自分の心を見つめる、反省・内省ことです。
1.主なる神の全知
聖書は「主なる神は何でも知っておられる」と言います。これは、何か抽象的なことではなく、「主なる神は私を私以上に知っていて下さるということです。」私たちは自分こそ自分のことを良く知っていると考えています。しかし、詩人は1節で「主よ、あなたはわたしを究め、わたしを知っておられる」と告白します。これは慰めに満ちた信仰告白です。
2.主なる神の遍在
自分の醜さ、弱さを知った時、私たちはどこかに逃げ出したくなります。しかし、主なる神はどこにでもおられるのです。たとえ、暗闇が支配し、陰府に横たわるような経験をしたとしても神はそこにもおられるのです。
3.わたしの創造者なる神
天地万物を造られ、すべてを知り、いずこにもいます主なる神、この偉大な神がこの私を創造されたのです。「あなたは、わたしの内臓を造り、母の胎内にわたしを組み立ててくださった。」私が存在する以前に、私は主なる神の慈しみのみ心の中に存在しており、私が一日も生活する前に、私の一生はすでに主なる神に知られているのです。
4.神に敵対する者
この主なる神の大きさ、圧倒的な愛の深さ、広さを知る時、それにもかかわらず、主なる神に敵対する者たちが存在しているのも事実です。しかし、私たちキリスト者は、微力ながらも正義と平和のため、愛のために闘わねばなりません。
5.内省
敵対する者らに心奪われ、乱される中で、私たち自身のことを祈りにおいて反省・内省することを勧めています。私たちもこの詩人と共に、「その驚くべき知識はわたしを超え、あまりにも高くて到達できない」と主なる神を賛美しましょう。
(松見俊)