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2021.2.10 「闇から光へ~キリストに見いだされ~」 使徒言行録26:1-32

1.パウロの回心 26:1-18

 パウロのアグリッパ王の前での弁明がはじまります。パウロは22章と同じように、まず自分がキリスト者に対して迫害していたことを語ります。そして12節からイエス様との出会いについて語るのです。ここでは、これまでよりもよりコンパクトに必要なことだけが語られているのです。【私たちが皆地に倒れたとき、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか。とげの付いた棒をけると、ひどい目に遭う』と、私にヘブライ語で語りかける声を聞きました。】(14)とあります。「とげの付いた棒をけると、ひどい目に遭う」という言葉は、ギリシア文学の慣用的表現で「大きな力に逆らうことは無益だ」という意味です。つまり、迫害を続けるパウロに対して、「あなたは神に逆らう無意味なことをしているのだ」と教えられたのです。神様は光でパウロを包み、パウロの使命として【彼らの目を開いて、闇から光に、サタンの支配から神に立ち返らせ】(18)るように遣わされているのです。

 

2. 悔い改め 26:19-23

 パウロは22節において、【私は神からの助けを今日までいただいて、固く立ち、小さな者にも大きな者にも証しをしてきました】(22)と語りました。「小さな者にも大きな者」とは「子どもから老人まで、貧しい者から富んでいる者まで、ユダヤ人から異邦人まで」と、そのすべての人間に神様の救いの証をしてきたことを語っています。

パウロは、イエス・キリストの十字架と死、復活を基として希望を語ってきました。それは、預言者たちやモーセ、つまり旧約聖書において、語られてきたことが実現したことを宣べ伝えているのです。

 

3. 弁明に対する反応 26:24-32

 パウロの弁明を受けて、総督フェストゥスはパウロに、「あなたは頭がおかしい」とし、アグリッパ王は、「自分をキリスト者にしようとしているのか」と反応するのです。彼らはパウロの言葉を受けて信じて悔い改めることはできなかったのです。

 

4. 見出してくださるキリスト

 パウロの弁明から二つのことを学びたいと思います。一つは、パウロは自分からイエス様に出会いに行ったのではなく、パウロの人生にイエス様が入ってきてくださったということです。もう一つは、イエス様に出会ったパウロは、闇から光に移された。しかしその人生は、苦難の始まりであったということです。

 パウロを、イエス・キリストが求めてくださり、見出してくださったのです。ここに神様の愛の導きを見るのです。

また、パウロはイエス・キリストに出会うことによって、闇から光へと移された。それは喜ぶことでした。しかし、パウロはイエス様に出会うことによって、苦難の生きる道を生きていくことになったのです。神様の愛に生きるということは、この世の価値観に立ち向かい生きていくことになるのです。しかしイエス様に出会うとき、そこで私たちは生きる命の意味を知ることになります。私たちは、イエス・キリストを基とした希望を見て歩んでいきましょう。(笠井元)