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2021.2.28 「断絶を越えて来られた方」(要約) ヨブ記1:13-22

1:  ヨブに届いた悲報

 ヨブのところに突然の悲報が届きます。最初に、シェバ人が襲いかかり、牛、ろばは略奪され、また牧童たちは切り殺された。次は、天からの神の火が降ってきて、羊も、羊飼いも焼け死んでしまった。次は、カルデア人が襲ってきて、らくだの群れを奪い、牧童たちは殺されてしまった。最後に、大風が来て、息子、娘、そして若い者たちは死んでしまったとの報告が届くのです。

ヨブは、東の国一番の富豪でした。しかし、ヨブのもとに突然の悲報が報告され、ヨブはこの一瞬ですべての財産、すべての子どもたちを失ったのでした。 

 

2:  ご利益宗教とキリスト教の信仰

 ヨブに与えられた突然の苦しみは「信仰とは何か」ということを問われているなかで起こった出来事でした。1:9から、サタンが神様と話し合っている場面があります。サタンは神様に、人間は神様を利用して利益を得ようとしていると言うのです。キリスト教の信仰とは、何があったとしても神様を神様として信じて従い生きることです。しかしサタンは、不幸の中、悲しみや苦しみの中で、だれが神様を信じるのか。そのような者はありえないと言うのです。

 

3:  神様との断絶

 突然の悲報を受けたヨブは嘆きました。続けてヨブは嘆き「地にひれ伏した」のです。これは、神様への礼拝の姿なのです。ヨブは言いました。「わたしは裸で母の胎を出た。裸でそこに帰ろう。主は与え、主は奪う。主の御名はほめたたえられよ。」(21)ヨブは、あらゆるもの、家族、財産、すべてを失う中で、神様に礼拝し、祈り、賛美を献げたのです。

「主は与え、主は奪う。」・・・「主の御名はほめたたえられよ。」この二つの言葉の間には、どれだけ大きな断絶があるのでしょうか。この嘆きから、賛美までには、人間の力では到底越えて行くことはできない大きな断絶があるのです。

 

4:  断絶を越えて越えられた方 イエス・キリスト

 皆さんも、不幸、困難、苦しみ、悲しみが続く中、「なぜ」「どうして」と思うとき、神様との関係に大きな断絶を感じることがあるのではないでしょうか。神様はこの大きな断絶を越えるため、御子イエス・キリストをこの世に送られたのです。神様はイエス・キリストの十字架、死を通して私たちとの断絶を越えて、人間と共に生きる道を開かれたのです。

 「主は与え、主は奪う。」・・・「主の御名はほめたたえられよ。」十字架のイエス・キリストが共に生きていてくださるという信仰を持って、主なる神様を賛美する者と変えられていきたいと思います。(笠井元)