1: エレミヤ書の背景
エレミヤはイスラエルが二つに分裂した中で、南ユダ王国で働いた預言者です。南ユダ王国は北からアッシリア、南からエジプトという大国に挟まれていました。エレミヤが働く中にあって、南ユダ王国は、アッシリアに変わり勢力を強くしていたバビロニア帝国によって滅ぼされていきます。南ユダ王国が滅亡する中、エレミヤは神様の言葉を語ったのです。
2: 私たちに向けられている召命
神様はエレミヤを選び出しました。そして今私たち自身のことを選び出しているのです。エレミヤは、「わたしは語る言葉を知りません」「わたしは若者にすぎない」と言いました。私たちも同じように言うのではないでしょうか。しかし、今、神様は私たちを神様の言葉を語る者として立てられているのです。
3: 生まれる前から選ばれている
創造主なる方が「わたしはあなたを母の胎内に造る前から、あなたを知っていた」と言われるのです。「知る」とは「選ぶ」ということです。神様があなたを選んでくださったとは、人間の不安定な心の動きとは関係なく、絶対に変わることのない神様の意志が私たちを愛することを決定されたのです。この世は、私たちを行動によって評価します。しかし、神様は「わたしはあなたを聖別した」と言われます。それは、ただ神様の愛のうちに生かされているということを意味するのです。
4: わたしがあなたと共にいる
エレミヤは、「若い」とか「年をとっている」ということではなく、「自分の弱さ」を言っているのです。これは当たり前のこと、人間が神様の真理、愛の言葉を完全に知るわけがないのです。私たちはすべての者が無力な存在です。神様はそのような者に対して「恐れるな、私があなたと共にいる」と語ってくださるのです。
5: 主が手を伸ばして触れてくださる
神様は手を伸ばしてエレミヤの口に触れられました。神様は手を伸ばして触れてくださる。つまり、イエス・キリストをこの世に送り、私たちの人生に触れてくださるのです。神様は、私たちを愛して選び出してくださいました。私たちは、神様が私たちのところに来てくださり、共にいてくださるという事実を受けて、神様の愛を語りましょう。(笠井元)