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2021.5.30 「イエス・キリストを心に迎え入れる」(要約) マタイによる福音書23:1-12

1:  ファリサイ派の人々 

 キリスト教では、律法学者・ファリサイ派の人々は信仰的に間違った人というレッテルが張られています。しかし、律法学者・ファリサイ派の人々とは、神様から与えられた律法を熱心に守っていた人々でした。ファリサイ派の人々は、復活を信じて、貧しい民衆の中で律法について語り、貧困層の人々に支持されていた人々で、バプテスマのヨハネ、イエス様と近い立場にあったのです。

 

2:  律法に囚われた者

律法学者、ファリサイ派の人々は律法を大切にしていました。しかし、その熱心さから、ファリサイ派の人々は、律法に囚われてしまい、律法によって人を裁く者となってしまったのです。ルカによる福音書ではファリサイ派の人は「わたしが罪を犯すような者ではないことを感謝します」(ルカ18章)と祈りました。これは他者を蔑み、神様の愛を忘れてしまっている姿なのです。

 

3:  神の愛を忘れてしまった

人々は小箱を大きくすること、衣服の房を長くすることから自分の信仰を見せびらかすようになってしまったのです。神様はすべての人間を愛してくださっている。それは、人間が律法を守っているからではないのです。ファリサイ派、律法学者はその根本的な神様の愛を忘れてしまい、いつの間にか、自分の名誉や地位のため権威のために律法を守る者となってしまっていたのです。

 

4:  へりくだり続けたイエス・キリスト

イエス様は「師は一人だけ、父は天の父お一人であり、教師は、キリスト一人である」と言われました。天の父、神を神として生きるということは、自分が神の子として生かされているということを受け入れることです。人生の最後まで、神を神としてへりくだり続けた方はイエス・キリストです。私たちのただ一人の教師イエス・キリストは、神の御子でありながら自分を無とされ、死に至るまで神様に従ったのです。

 

5:  イエス・キリストを心に迎え入れる

私たちは、心の中にイエス・キリストを迎え入れたいと思います。へりくだることは、父なる神を自らの神として、キリストを教師とすることから始まるのです。自分が「このように生きていきたい」と思うことは大切なことです。しかし自分勝手な理想の生き方は神様の前にあって、本当の正しい生き方ではないのです。神様のみ言葉に聞き、神を神として、キリストを教師として、キリストが歩んだ道を歩んでいきたい。そのときに、本当の意味でへりくだる者として歩むことが始まるのです。(笠井元)