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2021.8.29 「義の実を蒔く」(要約) ヤコブの手紙3:17-18

1、原爆の日を覚えて

毎年の8月には、広島と長崎の「原爆の日」を覚える行事や特集番組があります。今年はコロナ感染防止のため、平和記(祈)念式典は縮小された規模で行われ、そしてテレビ番組も五輪中継一色となり、「原爆・核・戦争」関連の特集が少なくなったように感じます。そんな中、思い出したのは今年3月に亡くなられ、広島教会で知り合った故人O先生のことです。O先生は、牧師ご退職後に被爆体験者として語り部活動を続けてこられ、平和への想いを誰よりも強く持っておられた方でした。これから一体誰が先生のように戦争と平和を語り継いでいくのでしょうか。

 

2、人間の正義

私が初めて広島平和記念資料館を訪れたのは20164月でした。広島教会に赴任する前のことですが、神学生として教会を訪問する際に、教会執事の方が案内してくださいました。資料館の中で、原子爆弾によって多くの命が無差別に奪われた悲惨な事実を目の前に茫然と立ち尽くし、あまりのショックで言葉を失いました。それまでは、多くの戦争被害者達の命は、政治家の貪欲な利益追求や人種差別によって奪われたと考えていましたが、原爆投下で掲げられたのは、「正義」というものでした。戦争を終わらせるための戦争をしても良いという考え方がそこにあったのです。人間の正義が怖いと初めて感じた瞬間でした。

 

3、平和実現の働き

 この夏、一冊の本と出会いました。『医は国境を越えて』という中村哲先生の著書です。中村先生の生前の働きとして大干ばつに襲われたアフガニスタンで用水路建設活動に従事されたことが知られていますが、ただ一人の医師として働く原点が垣間見える一冊です。先生ご自身の記録を通じて、現地の政治的状況や医療環境をはじめ、戦争の中で窮地に追い込まれる難民の子どもたち、病気と社会的偏見の二重の苦しみを受けたハンセン病者の存在を知ると共に、派遣先のペシャワール・ミッション病院での「らい病棟」設立とそれにまつわる対立感情、病院内外の権力闘争、援助資金の不当扱い問題に巻き込まれた一人の医師の苦労がうかがえました。そのような複雑で困難な状況の中、中村先生は難民やハンセン病患者に寄り添い、パキスタン・アフガニスタンの国境を超えた共通の基地の設立を図り、そのために尽力されてきました。

 

4、キリストの約束、神の共同体

 

 皆さんは「平和実現」を考える時に、どんな光景が頭に浮かぶでしょうか。私は、平和とは思えない時代・世界・社会の中、混沌とした状態を前に、ひたすら命に寄り添って地道な働きを積み重ねる働き人の姿を思い浮かべるのです。義の実を平和のうちに蒔いて行きましょう(劉雯竹)