1: ユダの裏切りの理由
ユダがイエス様の裏切った理由は何だったのでしょうか。よく考えられている理由は、ユダが求めていたメシア像からイエス様がずれていったということです。ユダはイエス様を祭司長に引き渡そうとしたのです。この「引き渡す」という言葉から、カール・バルトは、ユダはイエス様を裏切るというほど、大きな行為をしようとは思っていなかったと考えます。
2: 心の隙間への誘惑
「人の心は何にもまして、とらえ難く病んでいる。誰がそれを知りえようか。」(エレミヤ17:9)よく「自分のことは自分がよくわかっている」と言いますが、むしろ、「人間は、自分自身のことを完全には理解できない」ものです。人間は状況によっては「自分がそんなことをするはずはない」ということをしてしまうことがあるのです。私たちの心の奥底には、自分でも理解できない思いがある。そしてその思いを揺さぶり、神様から離れるようにと勧めるのが誘惑であり、サタンの業なのです。
3: 12弟子に入れられたユダ
イスカリオテのユダはイエス様を祭司長たちに引き渡しました。イエス様はこのようになることがわからなかったのでしょうか。イエス・キリストは、イスカリオテのユダの心の奥底にある思いを知っておられました。それでもイスカリオテのユダを自らの12弟子の一人として選ばれ、自らの弟子として愛されたのです。
4: 神様の選ばれた道
ユダの人生は何だったのでしょうか。神様の救いの御業がなされるために、まるで捨て駒のように使われただけだったのでしょうか。「なんで神様は自分をこのように造られたのだろうか。自分は神様からすれば必要のない者ではないか」と思うことがあります。しかし、本当に捨て駒のように捨てられたのは御子イエス・キリストです。神様は、御子イエス・キリストの死を持って、私たち人間を愛する道を選び取られたのです。
5: ユダの選んだ道:神の愛を拒んだ道
ユダは、このイエス・キリストによる神様の愛を受け入れなかったのです。これこそ本当の「神様への裏切り」です。命を懸けて、人間を救い出そうと十字架にかかられたイエス・キリストの救いを受け入れないことこそ、神様への裏切り、本当の罪です。
6: 目を覚ましていなさい
イエス様は、私たちに「目を覚ましていなさい」と教えます。それは私たちの心を揺さぶる誘惑によって、神様を忘れてしまうことのないようにということです。私たちが陥る最大の罪の道は、神の愛を拒否する道です。私たちは神様の愛の御業を拒むことなく、目を覚まして受け取っていきたいと思います。(笠井元)