1: すべての人間の救い主として生まれた
マタイによる福音書ではまずイエス様の系図が記されています。この系図は14代で区切られていますが、最初の14代は栄光の時代、その後の14代は栄光から転げ落ちていく没落の時代、その後の14代はバビロン捕囚という暗黒の時代と見ることができます。このような暗黒の時代に「メシアと呼ばれるイエスが生まれた」(16)のです。この系図には、男性、女性、ユダヤ人、異邦人、王様、奴隷といった様々な立場の人々が記されています。この系図が表すことは、すべての人間の救い主としてイエス・キリストが生まれられたということです。
2: 歴史の中に来られた
アブラハムからイエス様までの歴史を考えると1000年を越える歴史となります。私たちは歴史の中に生きている者であり、歴史を導く者でも、支配する者でもないのです。系図に書かれている人々も歴史に生きた人々でした。系図に記されている人々は、私たちと何も変わらないただの一人の人間です。ここに歴史を支配しておられる父なる神様が、御子イエス・キリストを歴史の中の一人の人間として送られたのです。神様は私たち人間の中、歴史の中に来られたのです。
3: 背後で働かれる神様
人間の思いを超えた神様の働きをルツから見ていきます。ナオミは夫と息子を、ルツは夫を亡くし、二人は「どん底の生活」を送っていた。その中でルツはボアズに出会うのです。聖書ではルツがボアズに出会ったのは「たまたま」「偶然の出来事」と表します。しかし、この「たまたまの出来事」の背後に神様が働かれていることを見るのです。ルツ記では、この偶然の背後で働かれる神様の働きを語ります。
4: 暗闇の中に来られる方
私たちの人生には、時に、暗闇の時があり、逃げ切れない困難にぶつかることもあります。ルツ記では、神様がそのような者を救いあげてくださったことを語ります。どのような暗闇にも主は必ず来られます。どれほどの困難のときも、神様は必ず働いてくださるのです。私たちは、ただ救いの御業、イエス・キリストの誕生を待ち望みましょう。(笠井元)