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2022.1.9 「すべて義しいことを成就するため:連帯して僕の道を歩みだす」(要約)  マタイによる福音書3:13-17

キリスト教の暦では16日はエピファニー(公現日)です。イエス様が公の生涯を歩みだされたことを記念する日です。クリスマから始まる喜びと感謝の記憶が年末・年始の喧騒や、またぞろ、孤立、不安、悲しみと嘆きの闇に飲み込まれないため、クリスマスの飾りは1月6日までそのまま飾り付けられているのが伝統的です。公現日の歴史的由来は、諸説ありますが、イエス様がバプテスマのヨハネからバプテスマを受けられた日とされています。

1.この日、この時までのイエス様の歩み

2.ヨハネのバプテスマ

「バプテスマ」はギリシヤ語の「バプティゾー」つまり、水の中に沈め、浸すという動詞に由来しています。ヨハネは荒野でラクダの毛衣を着て、腰に革の帯を締め、いなごと野密を食べ物としていた」(マタイ3:4)とあり、世俗社会を離れ、禁欲的生活を実践します。切迫する神の審判の前で悔い改めを語ります。罪の告白、そして、自分より優れた「来るべきお方」=キリストの到来への期待も示唆しました。

3.主イエスがバプテスマを受ける

 これに対し、イエス様は神の審判と荒野の禁欲生活というより、神の愛による赦し、つまり、良き音信=「福音」を信じること(マタイ4:23)、神への喜び、感謝に生きること、我々と同じ市井に生きることを説かれます。神の審判の真実は否定しようもないのですが、神の審判の前ではだれも救われず、滅びるのみという袋小路は予期できぬ仕方でそれ自体を解決しました。来るべきお方=キリストは、バプテスマを施すために来たのではなく、彼自身バプテスマを受けることを受け入れるために来られたのである。」(Goppelt, Theology of the New Testament. Vol. I, 40.)不思議なことに、この連帯に生きる道、この僕の道を歩み始めたその時に、天からの声がイエスにだけ聞こえ、聖霊が鳩のように御自分の上に降ってくるヴィジョンを見たのです。この言葉は、詩編2:7の「王の即位」の歌とイザヤ42:1の「僕の歌」と合体したものです。神の子の自覚と僕の道への歩み出し、僕の道と神の子の歩みは一つのことなのです。

 4.キリスト者の自由

 

 そうであれば、私たちも主イエスに続いてバプテスマを受け、イエスの僕の道に続きましょう。ルター『キリスト者の自由』:「第一命題:キリスト者はすべてのものの上に立つ君主にして、何人にも隷属しない。第二命題:キリスト者はすべてのものに奉仕する僕であって、何人にも従属する。」自由と奉仕について相矛盾するこの2つの命題を理解せねばならない。」すでにバプテスマを受けている方はこの自由と奉仕の道に生きましょう。(松見俊)