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2022.6.8 「聖霊の働きを狭めない」 Ⅰコリントの信徒への手紙12:27ー31a

1:  同じ霊に与えられた賜物

 コリントの教会には、争い、分裂がありました。知識を持つ者、異言を語る者などが自分たちの知識、力を誇る者となっていた。

 パウロは、このようなコリントの教会に【あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です】(27)と教えます。1215節からの言葉では、誰も「お前は要らない」「必要ない」と言うことはできないと教えます。

教会には様々な賜物を持っている人がいます。パウロは、124節において【賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。】(4)と、様々な賜物があるが、それを与えるのは「同じ霊」だと教えます。キリストの体とされる教会は、同じ霊に与えられた、様々な賜物が用いられて造られているのです。

 

2:  使徒、預言者、教師

 28節では、具体的に第一に使徒、第二に預言者、第三に教師が立てられているとします。この順番に権威の上下関係はありません。この三つの働きは教会において重要な働きでした。使徒とは、神様の御言葉を受け取り、語り、教会を建てる人々です。この使徒が語る御言葉を受け取り、教会が信仰共同体として働いていくための指導をする人々が「預言者」「教師」です。教会は、御言葉を受け、その御言葉を用いて信仰共同体として形成されていったのです。

 このような中でも、上下関係のないこと、共に学ぶということを覚えたいと思います。

 

3:  目立たない働きの大切さ

次に「奇跡を行う者」、「病気をいやす賜物を持つ者」、「援助する者」、「管理する者」、「異言を語る者」と挙げられます。「奇跡を行う者」、「病気をいやす賜物を持つ者」は奇跡的な活動であり、聖霊による賜物として見られました。それに対して「援助する者」、「管理する者」は聖霊による賜物として見られることが少なかったのです。ここでは「援助する者」、「管理する者」も、同じ聖霊による賜物として挙げられます。

私たちは神様からそれぞれに働きを与えられています。その中でも目に見える働きだけが神様からの賜物ではなく、目に見えない働きも同様に、同じ聖霊によって与えられたものなのです。

 

4:  異言の位置

最後に「異言を語る者」という働きがあります。コリントの教会では異言を語ることを含め、超自然的出来事を行う者こそが素晴らしい働きをしていると考えられていました。パウロは異言を語るという働きを一番最後に置くことによって、異言を語る賜物も、同じ聖霊からの賜物の一つであるということを教えているのです。

 

5: 聖霊の働きを狭めない

コリントの人々は超自然的出来事を聖霊の賜物として見ていました。そのような者こそ最高の霊的な賜物を受けている完成者として見たのです。

  パウロは「あなたがたは、もっと大きな賜物を受けるよう熱心に努めなさい。」(31)と教えます。パウロは、コリントの人々の霊的賜物の理解の狭さを指摘し、霊の働きはもっとずっと広く、多岐にわたるものであることを教えたのです。聖霊の働きを私たち人間が狭めてしまうことのないようにしましょう。そのために熱心に努めましょう。熱心に祈りましょう。お互いのために祈りましょう。