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2022.1.15 「神の恵みを記憶し、希望に生きる」(要約)  ルカによる福音書22:14ー30

 今朝はバプテスト東福岡教会、教会組織70周年の記念礼拝です。明日16日が教会のお誕生日です。私たちは教会組織70周年を「記念」しているわけですが、「記念する」「記憶する」とは単なる「記録」とは違って「心に刻むこと」です。

 

1.最後の晩餐の文脈:枠組み

 取り上げ聖書箇所はルカ221430節です。「最後の晩餐」の箇所です。「これは、あなたがたに与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」(19節)主イエスは、お自分のからだを象徴する「パン」と、苦難の果てに血を流され、それによって結ばれた新しい契約、つまり、一方的に神の赦しによって成立する契約の象徴として「葡萄酒の杯」を分かち合われました。この出来事を「記念しなさい」、繰り返し「心に刻みなさい」と言われています。

福音書はこの「最後の晩餐」を、ヘブライ語聖書の「過ぎ越しの祭り」の核組で伝えています。奴隷の地・超大国エジプトからの解放の際にヘブライ人の住まいに小羊の血を塗り、エジプトの長子を打つ者が血を塗られた家を過ぎ越したという言い伝えに基づいています。主なる神による解放と救済の記憶です。

2.記憶すること:感謝すること、希望すること

アグスチヌスは、現在するものはまさに「現在」だけであり、過去とは「もはやない」「もはや存在しないもの」である。しかし、過去は「かつてあったものとして」感謝を持って現在も経験できると言います。また、また、「将来」とは「まさに来たらんとしているもの」であり、私たちは現在それを「希望」において経験できると言います。現在への心の集中が重要です。

3.主イエス・キリストの愛と慈しみの記憶

 「わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。」このように書かれていますが、主イエスは仕える者としてそこに静かに横たわっておられます。主イエスがそこにあたかも死者のように横たわっておられる。それこそが主イエスの最高の奉仕(給仕)でした。

4.悔い改め:感謝と共に

 最後の晩餐の記憶は弟子たちの弱さ、よりによってその先生が死を覚悟しているその時に、「だれがいちばん偉いだろうか」と言い争っていたという事実の記憶と共に伝承されているのです。感謝は悔い改めと共になされるのでしょう。教会は傷つけられた人々の傍らにいることができたでしょうか?

5.主イエスのある希望:喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く

 

 この教会の70年間の歩みを思い起こし、これからの70年をどのように展望するでしょうか?神と人に「仕える者」、「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く者」(ローマ12:15)、そのような教会でありたいです。(松見俊)