1: 使徒とは
イエス様は弟子たちの中から十二人を「使徒」として選び出されました。ルカは使徒とは、イエス様がヨハネからバプテスマを受けた時点から、福音宣教をしていく時、そして架で死に、復活され、天に昇られていく時まで、いつも一緒にいた者の中から、主イエスの復活の証人となる者を選ぶべきだと言っています。(使徒言行録1:21-22)ルカは、イエス様が選ばれた使徒とは、イエス様といつも共にいて、主の復活の証人となる者だと言っているのです。
2:マルコ、マタイと比べての意味
マルコ、マタイにおいても、イエス様が12人を使徒に選び出された場面があります。ただ、そこでは、イエス様は、使徒を選びだすだけではなく、そこから12人の使徒たちに権能を授け、宣教のため派遣するという記事もあるのです。それに対して、ルカによる福音書では権能を授ける、派遣するといった言葉は全く出てきません。イエス様の選びは、危機の中、共に生きる者を選ばれたとも言うことができるでしょう。
3: 使徒として選ばれた者
選ばれた12人が、特にイエス様を支えることが出来る強い人間であったのかというと、そうではないのです。むしろ、弱さを持つ者たちでした。ペトロはイエス様のことを、三度も「知らない」と言いました。トマスは、イエス様の復活を、自分が見てその目で確かめるまでは信じないと言い張ったのです。イエス様は自分を裏切ったイスカリオテのユダも選ばれたのでした。これが、イエス様が選び出した「使徒」の姿です。
4: 祈りの中で選ばれた使徒
イエス様は使徒を選びだす前に一晩中祈り続けられたのです。その祈りの中で、イエス様は、弱く、裏切り、逃げていく者を、自らの使徒として選ばれたのです。私たちは、自分の弱さを見るときに、イエス様の祈りと選びを思い起こしたいと思います。イエス様は祈りの内に、弱さを持つ者を自らの使徒として選び出してくださるのです。
5: 使徒として生きる
使徒たちはイエス・キリストが十字架で死なれ、復活され、天に上げられ、今も共にいて、祈っていてくださるという恵みを受け取り、力づけられていきます。弱い者が、イエス・キリストの福音を受けて、神様の栄光を表す者とされていくのです。イエス様は祈り、私たちをも選び出し導いてくださるのです。私たちはイエス様の祈りに支えられ、共に恵みに繋がる者として歩んでいきましょう。(笠井元)