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2023.12.13 「ヘブライ人への手紙:御子イエス・キリストを主と告白する」 ヘブライ人への手紙1:1-4

1:  ヘブライ人への手紙から学ぶ

 今回、ヘブライ人への手紙を選んだ大きな理由としては、ヘブライ人への手紙が、疲れ切った人々に向けられた書物であり、礼拝すること、祈ること、聖書を読むこと、そして「イエスを自らの主」と告白することにすら疲れている教会の人々が、もう一度立ち上がるためのメッセージ性をもったものであるということがあります。

 ヘブライ人への手紙は最初期に語られた説教だろうとも考えられています。(ヘブライ12:11-13)この説教を聞く人々の目の前には、信仰的な困難が立ちはだかり、手は萎え、ひざは弱くなり、まっすぐ歩くことができない状態であったとされます。イエス・キリストが天に挙げられ、使徒たちが、迫害や年齢によって召され、社会の迫害が拡がる中教会内には異端が生まれ、信仰的に弱っていました。教会の人数は減り、存続の危機に陥っていたのです。現在もまた、教会の人数は減り、多くの教会が存続の危機に陥っています。もう一度一人の信仰、また教会としてキリストに立ち帰るためにも学んでいきたいと思います。

 

2: 時期と著者と読者

 ヘブライ人への手紙を、誰が書いたのか、誰に向けて書かれたのか、いつ書かれたのかというのは不明とされています。いつ書かれたのかということは、紀元60年から100年ほどのいつかと推測されています。著者がパウロではないことはほぼ確実です。著者は、70人訳聖書、古典修辞学、ギリシア語のことをよく知り、際立った専門知識を持っており、またユダヤ的な枠組みの中にありながらも、ヘレニズム文化に精通した人であり、非常に教養のある人。ディアスポラのユダヤ人でキリスト者となった者であると考えられます。13章からテモテのことを知っており、またイタリア出身の人たちとも近い人であったとされます。(ヘブライ13:22-25)また、13章19節、23節から著者は、様々なところに伝道活動を行いながら、教会に帰ることを考えている人であることもわかります。著者の推測の中で一番の有力者はアポロですが、バルナバ、ルカ、プリスキラ、シルワノなどとも言われており、どれも強力な論拠はありません。

この手紙が、ローマの教会に向けてなのか、エルサレムの教会なのか、ユダヤ人教会なのか、異邦人教会なのか、またはその両方の人たちに向けて書かれたのか、それすらも大きな根拠はなく、わからない状態とされています。

 

3:  神様が語られる (1:1~2)

「神様が多くの形で語られる」。「神が語る」のです。神様が主体的に私たちに語り掛けてくださるのです。(ヨハネ15:16-17)私たちが神を選んだのではなく、神が私たちを選びだし、救いの道を整えてくださっているのです。私たちの信仰とは、神様の言葉に耳を傾けていくことです。主人は神であり、私たちは神の僕です。神様はかつては預言者たちによって、多くのかたち、多くのしかたで先祖(イスラエル)に語ってきたとします。旧約の時には夢、幻、託宣、律法、預言者たちの言葉と様々な形、仕方でイスラエルに語り続けられてきました。【この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。】(2)とするのです。神様は私たちに御子、イエス・キリストによって語られた。もはや預言者を介する必要はないのです。

 

4:  万物の創造主であり、相続者である御子 

御子イエス・キリストは、万物の相続者であり、世界を創造されたのです。このことは、コロサイの信徒への手紙でも同じようなことが語られています。(コロサイ1:13-16)万物は御子によって、御子のために造られたのです。この言葉は、私たちの「なぜ生きているのか」という命の根本的疑問に答えます。すべてはイエス・キリストのため、イエス・キリストに向かって生きているのです。

現在、移籍で話題沸騰中の大谷翔平選手によって有名になったマンダラシートというものがありますが、中心には「ドラ1、8球団」とあります。わたしたちがこのシートを作るとしたら、どのようなシートになるでしょうか。バプテスマを受け、イエス・キリストに従うということは、シートの真ん中に「イエス・キリスト」がくることでしょう。

これは、私たち個人の生きる意味を表わすと同時に、教会としての存在意義を表わすことになります。教会がこの世に存在するのは、このイエス・キリストによる神様の愛を宣べ伝えることであり、そのために共に礼拝し、共に祈り、学び、必要な知識を得て、方法を考え、組織を形成していくのです。

 

5:  神の子 イエス・キリスト

 御子イエス・キリストの人性と神性について語ります。御子は天使のような神の使いではなく、「神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れ」(3)と告白するのです。十字架での死を受けられた人間イエス。「天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。」(3)と、復活と高挙という神イエスです。人間であり、神である方こそ、神様の栄光の反映であり、神様の本質の完全な現れなのです。

ユダヤ教、ローマ帝国による迫害による命の危険が続き、まさに四面楚歌のような状態にある中で、この手紙は、まずイエスは人間として私たちの重荷を共に担って下さっていることを教え、その方が万物の支配者である神の御子であることを教えているのです。(ヘブライ4:15-16)(ヘブライ12:1-3)初代教会で、迫害が続き、終末が来ない中、異端、異説が生まれ、教会外部、内部から、信仰の危機に陥る中、ヘブライ人への手紙は、ある意味当たり前のこと、しかし、忘れてはいけないこと、「イエス・キリストが私たちと同じ人間となられ、重荷、苦しみを担い、信仰の創始者であり、完成者となってくださった。この神の御子イエス・キリストが死に、そして復活されたことを、ただただ信じる」ということを教えているのです。(笠井元)